消火避難訓練記録2016年11月18日(金)

横浜オーチャードキンダー プリスクール&保育所 消火避難訓練記録

実施日付:平成28年11月18日(金)
実施時間:午前10時

【訓練目標】

園児が先生の指示に従い、素早く避難すること。自発的な「おはしも(おさない・はしらない・しゃべらない・もどらない)」の実行。

【訓練状況】

英語授業中、地震により火災発生、初期消火で鎮火したが念の為避難するというシチュエーションで訓練を実施。1階エントランスまで非常階段を使って避難した。

【園児様子】

授業中に鳴り響いた警笛に一瞬何が起こったのか分からなかった様だが、先生からの指示で集合場所に移動。順番に靴を履いていき、名前を呼ばれるまでは地震想定の為「ダンゴ虫のポーズ」で待機。そわそわする子がいるものの、声を掛けると概ね問題なし。前回の問題点、階段でのおしゃべりはほぼ改善した。

【特記事項】

改善点:
その他:階段に辿り着いてからの一階への移動の流れを変更したが、今までよりも時間の短縮が出来たので、今後は更に精度を上げていきたい。

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子供の脳の成長

脳内の情報伝達は、神経細胞同士のシナプスと呼ばれる結合での信号のやりとりにより行われています。シナプスでの情報伝達は記憶や学習の分子基盤と考えられます。
子供が生まれるときは無数な神経細胞が脳内存在しており、その数は1年後約2倍になり、3歳の時は成人の80%達します。シナプスの形成はこの時期は最も活発に行われています。子供2歳か3歳の時シナプスの数は成人と同じくらいのシナプスを持っていると考えられています。

子供の脳とシナプス

図1.脳神経

早期経験は脳への良い働きをもらたす

遺伝子の働きは脳内各所に必要な神経細胞を配置し、どのようにネットワークを構築するか指令を出します。ですので遺伝子はあくまで脳内構築する設計図です。環境や経験という外部要因は脳への神経活動を刺激し、例えば言葉、音声などは言語を司る脳神経がその刺激を受け、言語の脳神経とシナプスが発達します。もしこの時期においてより多く言葉や音声を与えると、言語を司る脳神経とシナプスがより活発となります。

使われなくなったシナプスは思春期に衰退されてしまいます。これは脳が効率化をはかるためのプロセスだと言われています。小さい頃が出来て、大人なって出来ないというのはこのプロセスではないでしょうか。

強いシナプスは学習、記憶や他の認知能力をサポートする脳内ネットワークの効率化や連結性を寄与します。

子供3歳までにできるだけたくさんの経験をさせておいたほうがいいと思います。その中でオーチャードキンダーはコミュニケーションを重きにおいてあります。それはコミュニケーションが最も大切なスキルからです。

プリスクール 短時間コースより 全日制のほうが効果的

プリスクールは幼児教育において最も重要な役割

プリスクールは親のしていなかったことやできなかったことの代わりに補ってさらに小学校への進学の準備期間として役割を果たしています。

多くの親はプリスクールの役割や効果について疑問に思っているかもしれません。

この頃ミネソタ大学の研究によってこの疑問を解けました。プリスクールは子供の成長に最も重要な役割を果たすだけではなく、さらに小学校へ入学の際に子供達に進学の準備をしてくれたことを明らかにしました。

研究によれば、全日制のプリスクールは短時間コースのプリスクールよりはるかに良い効果をもたらしたことがわかりました。

全日制のプリスクールは子供達に学術的な経験を与えるだけではなく、親達には育児から解放されて、時間の有効活用でキャリアや習い事に集中することが可能で、まさにWin-Winの関係です。

広がる学力格差の問題

子供の学力格差についてハーバード大学教育学大学院の研究によれば、黒人やヒスパニックやアメリカ原住民などの少数民族は、白人やアジア系アメリカ人より読解力、数学、語彙などはの学力テストにおいて基準点より下回ることが分かりました。

また、センターフォーアメリカンプログレスのよると、こういった格差は貧困層と比較すると、5歳の子供でも最大15ヶ月の発達遅れが見られるということです。

2012年から2013年にかけて、アーサー・レイノルズ教授が率いるリサーチは、シカゴ地区に11カ所のプリスクールで全日制(7時間、709学童)と短時間コース(3時間、573学童)の内、収入が低いマイノリティを対象に進学の準備度合い及び親の関わりと合いについて調査を行いました。

研究によれば、全日制の学童は社会性集団的行動や言語、数学、健康などいくつの項目も短時間コースの学童より高い数値が得られました。

さらに、全日制の学童は読み書きや認知的能力も高いが、論文ではその差異は大きくないと記しました。

学力格差の広がりは親達だけでは解決することが難しく、その点においてはプリスクールは親達の代わりにその役割を担い、格差の広がりを縮小することを期待できます。

Reference:

  • http://www.medicaldaily.com/early-childhood-education-should-include-full-day-pre-k-prepares-kids-better-school-312152
  • http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-11/tjnj-fpl112014.php
  • http://hepg.org/hel-home/issues/22_4/helarticle/the-school-readiness-gap
  • https://www.americanprogress.org/issues/education/news/2013/11/21/79725/the-school-readiness-gap-preschool-helps-low-income-children-get-ready-for-school/

環境と子供

最初の頃子供達はそれぞれでおもちゃで遊ぶことが多かったですが、今となって仲間意識が生まれ、一緒に遊ぶことや行動することが多く見られます。

特に追いかけっこは良く見られます。

広いスペースがあると、室内でも思い切り走れていいですね。

狭い環境あるいは込み合い環境中でいると、思わぬ悪影響があります。

例えば、対人関係や精神力、やる気、認知能力の成長などに負の影響をもたらします。

過渡密集の空間だと、子供は人を避けて引きこもることがあります。そして、子供の集中力や積極性の低下などの傾向が見られます。

大人にも影響を与えます。例えば、子供との関わりの度合いが低くなり、懲罰的な行動も多く取る傾向が強くなります。これがさらに子供との関係が悪くなり、社会性、精神力、そして情緒の成長に悪影響を及ぼします。

日本の住宅は狭いので、できるだけ子供を公園や広い場所に連れて遊ばせるとよいです。また、お家に鏡や光の反射できる装飾品などを置くと広く感じられます。

保育所や幼稚園もできるだけ広い保育室のある施設を選ぶといいです。

Reference:

早期幼児教育 子供に格差をなくす機会を

格差はいつから生ずるでしょうか?

実は生後9ヶ月から格差が生じます。

貧しい家庭で生まれた子供達や適正な教育を受けていない親の子供達の認知能力、社会能力などは中間層と富裕層との開きがあったことを最近の研究でわかりました。

格差の子供は例えば小学校への準備が出来ていないや途中で退学したり、高等教育に進むことができない、犯罪に手を染めるなどの可能性が高いです。

ユニセフは早期幼児教育を推奨しています。それは小学校への準備だけではなく、中退率の低減、進学率の増加、そして犯罪率の低下につながるからです。

早期幼児教育の重要性については、ノーベル経済賞受賞者でもある米国シカゴ大学のJames Heckman博士などが強く推進しています。

ユニセフでも早期幼児教育については「早期幼児ケア」として2000年頃から注目をしています。2010年に発行された「世界子供白書特別版2010」でも、早期幼児教育についての言及が「教育の権利」として随所に見られます。

『早期幼児教育の認識』
多くの人は「早期幼児教育」を小学校の授業のように読み書きや計算などの学術だけのもの連想しがちです。

「早期幼児教育」は年齢に適した遊びや子供達の興味を刺激したり、知覚、情緒、社会性の発達に配慮した教育です。

『脳の成長』
子供達の脳や認知能力は、誕生から小学校に上がる前までに飛躍的に発達します。その時期を逃がさず、好奇心を満たす刺激や知識、対応力を授けてあげると、子供達は、その後の人生においても身につけた力を応用し、大きく伸びていくことができます。

脳の成長段階

  • http://nieer.org/resources/policyreports/report3.pdf
  • http://www.childtrends.org/wp-content/uploads/2013/05/2009-52DisparitiesELExecSumm.pdf
  • http://www.unicef.or.jp/library/pdf/haku.pdf
  • https://www.sagacco.com/unicef/unicef_01.php
  • 幼児教育は早ければ早いほうが効果的

    最新の脳科学の研究成果によれば、「3歳以下で一定の期間眼帯をしていると弱視になる」など、人間能力の発達には敏感期が存在していることが示されています。

    ちなみに3、4歳を対象とした就学前教育であったPerry School / High Scope は、子どもたちのIQを高める効果は小さかったのに対して、生後4か月から幼児教育を行った実験グループでは、子どもたちのIQが高まったという結果が示されています。

    このような脳科学の知見も用いてDr. James Heckmanは、3、4歳の時期に適切な教育を受けずに敏感期を過ぎてしまった子どもは、教育投資の効果が小さくなり、学習意欲を高めることは難しく、効果は限定的なものになると考えています。

    Reference: